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管理者のつぶやき
「してください」のその先にあるもの
2025-10-3
「○○さん、そろそろトイレに行ってください」
「今?…まだテレビの続きが気になるんだよ」
「大丈夫です、行ってください」

介護の現場では、こんなやりとりが日常的にあります。
言っている側は丁寧なつもりでも、
受け取る側には「命令」に近く響いてしまうこともあります。

「してください」という言葉は、「しなさい」をやわらかくした表現にすぎず、
実は強いニュアンスを含んでいます。
たとえば食事の場面なら、「食堂に行ってください」よりも
「ご飯のいい匂いがしてきましたね。一緒に行きましょうか」と声をかける方が、
自然と気持ちが動きます。

入浴の時も同じです。「お風呂に入りましょう」よりも
「今日は寒いですね。お風呂で温まったら気持ちよさそうですよ」と伝えるだけで、
受け取る印象は大きく変わります。

そして時には、利用者さんから「今日はパス!明日入りゃいいべさ」と返ってくることもあります。
これも立派な意思表示であり、小さなわがままではなく「やらない」という選択です。

介護の現場では予定をこなすことを優先しがちですが、
やらないことも含めてその人の意思を尊重することが、
本当の意味での寄り添いにつながります。
「してください」に潜む小さな違和感に気づくことで、
現場はもっと柔らかく温かくなるのではないでしょうか。

デイサービススローライフおびこ

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